2024年度 大阪府公立高校入試 英語の単語を検証|初めて出る語が多かった年
前の年から一転、読みにくい年に
- S〜C段階は、A 85%・B 83%・C 86%3つの問題とも、2017年度を除けば、比べた年の中でいちばん低い割合でした。B問題のS段階(52%)は、2017年度以降の最低です。
- C問題は、初めて出る語が45種類2023年度までの過去問に一度も出ていない語が、C問題で45種類、B問題で22種類、A問題で16種類ありました。C問題に出た語の種類(417種類)も、2021年度以降で最も多くなっています。
- bicycle が、なんと初登場A問題で27回、B問題で30回出た bicycle(自転車)は、2013年度からの過去問に一度も出ていない語でした。基本語でも、過去問だけでは拾えない例です。
「読みにくい年もある」が、すぐに来た
2023年度版の記事では、「2023年度は最も読みやすい年だった。ただし毎年このくらい読めるとは限らない。S〜C段階で86〜95%と、年によって10ポイント近い幅がある」と書きました。
2024年度のS〜C段階は83%〜86%。幅の下の端を、さらに少し下回りました。A問題は、前の年の95%から1年で約10ポイント下がりました。
S段階で5〜6割、S〜C段階で8割台
作り方は2021年度版と同じです。2023年度までの過去問だけを使い、それまでの試験の語の7割・8割・9割・97%を読める範囲をS・A・B・C段階にしています。
| 覚えた範囲 | A問題 | B問題 | C問題 |
|---|---|---|---|
| S段階まで | 56% 185語 | 52% 191語 | 59% 226語 |
| S〜A段階 | 63% 276語 | 61% 293語 | 69% 344語 |
| S〜B段階 | 76% 452語 | 74% 484語 | 76% 555語 |
| S〜C段階 | 85% 742語 | 83% 803語 | 86% 877語 |
機能語(the, of など)、固有名詞、その試験で語注が付いた語は数えていません。小さな数字は、その範囲の語数です。
S〜C段階まで覚えても、B問題とA問題では約6〜7語に1語が知らない語になる計算です。リストの効き目が弱かった理由は、下の「リストになかった語」でくわしく見ます。
下がったのは、リストの力ではなく試験の語の幅
2017年度からの各年と比べます。
| 年度 | A問題 | B問題 | C問題 |
|---|---|---|---|
| 2017年度 | 51% | 57% | 51% |
| 2018年度 | 57% | 57% | 54% |
| 2019年度 | 59% | 56% | 55% |
| 2020年度 | 58% | 57% | 61% |
| 2021年度 | 60% | 59% | 64% |
| 2022年度 | 56% | 57% | 56% |
| 2023年度 | 68% | 68% | 64% |
| 2024年度 | 56% | 52% | 59% |
| 年度 | A問題 | B問題 | C問題 |
|---|---|---|---|
| 2017年度 | 83% | 77% | 75% |
| 2018年度 | 90% | 85% | 88% |
| 2019年度 | 93% | 90% | 89% |
| 2020年度 | 92% | 89% | 88% |
| 2021年度 | 89% | 92% | 92% |
| 2022年度 | 87% | 89% | 86% |
| 2023年度 | 95% | 89% | 93% |
| 2024年度 | 85% | 83% | 86% |
S段階は、A問題56%(例年58%)、B問題52%(例年59%)、C問題59%(例年58%)。A・B問題は例年を下回りましたが、C問題はほぼ例年並みです。
S〜C段階では、3つとも例年を下回りました。上位の語はいつもどおり出ているのに、リストの下のほうや、リストの外の語が増えた。つまり、2024年度は「よく出る語が減った」のではなく、「いつもは出ない語が増えた」年だったと言えます。
初めての語と、身近な語
S〜C段階に入っていなかった語は、C問題で81種類(試験に出た417種類のうち)。前の年の31種類から大きく増えました。
- bicycle
- railroad
- track
- statue
- fold
- solar
- panel
- presentation
- design
- correct
- ship
- Wednesday
いちばん驚くのは bicycle です。中学1年で習う語ですが、2013年度からの過去問には一度も出ていませんでした。かわりに bike が、2015〜2020年度に合わせて20回出ていました。A・B問題の共通の文章で何十回も出たため、延べ語数のカバー率を大きく下げました。
B・C問題では railroad・track、C問題では statue・fold・solar・panel が、それぞれの文章のテーマの語として何度も出ています。さらに design・correct・ship・Wednesday のような身近な語が、リストの約800〜1,400位にありました。初めての語とリストの下のほうの語が重なって、読みにくさにつながっています。
語の種類で見ると、C問題は8割
語の種類(何回出ても1と数える)で見ると、次のとおりです。
| 覚えた範囲 | A問題 | B問題 | C問題 |
|---|---|---|---|
| S段階まで | 47% 延べ 56% | 44% 延べ 52% | 41% 延べ 59% |
| S〜A段階 | 57% 延べ 63% | 56% 延べ 61% | 54% 延べ 69% |
| S〜B段階 | 73% 延べ 76% | 71% 延べ 74% | 67% 延べ 76% |
| S〜C段階 | 87% 延べ 85% | 83% 延べ 83% | 81% 延べ 86% |
| 試験に出た語の種類 | 270種類 | 308種類 | 417種類 |
C問題はS〜C段階でも81%で、5語に1語がリストの外です。S段階で読める語の種類は41%と、半分を大きく下回りました。
語の種類が多い試験では、1つ1つの語が出る回数は少なくなります。知らない語が1回ずつ、あちこちに出てくる試験だったということです。こうした試験では、知らない語で止まらずに読み進める力が点数を分けます。
2025年度の受験生へ
2024年度までの4年分(2021〜2024年度)で、S〜C段階は83〜95%になりました。読みやすい年と読みにくい年の差は、10ポイント以上あります。
読みにくい年は、初めての語やリストの下のほうの語が増えます。S〜C段階を仕上げたら、その先(リストの「参考」の語)にも少しずつ手を広げ、教科書の基本語を見直しておきましょう。そのうえで、知らない語を飛ばして文の意味をつかむ練習が、どの年に当たっても役に立ちます。
読みにくい年の原因は「初めての語」と「リストの下のほうの語」。S〜C段階の先と、教科書の基本語が、その差を埋める。
数字の条件
データは、大阪府公立高校入試(英語)の過去問を文字に起こしたものです。2024年度は一般入学者選抜の英語A・B・C問題とリスニングを対象にしました。リストは2013〜2023年度の一般・特別・前期・後期入学者選抜(英語・リスニング)から作っています。数える語は、本文・リスニング台本・英語の設問と選択肢に出てくる語で、機能語・固有名詞・その試験で語注が付いた語は除きます(2語以上の語注は、語としては数えています)。語の変化形は元の形にまとめています。リストの作り方(重みづけの値)は2026年に決めたもので、その値を選ぶときに2020〜2023年度のデータを使いました。2024年度は、その選定に使っていない年です。分析と文章の作成にはAIを使っています。大阪府および大阪府教育委員会とは関係のない、個人による分析です。
記事の一覧 ・ ほんま出る トップ ・ プライバシーと連絡先